唐川キラー

 後輩が打てば、先輩も負けていられない。二岡と糸井の“近大コンビ”が2人で全5打点を叩き出した。
 「とりあえず走者を還すことだけを考えていた。(糸井)嘉男がいい打撃をしてくれたから、つられた」
 今月3度目の先発出場に二岡が発奮した。まずは、2回2死二塁で唐川から先制の右越え二塁打。4回には、1死一塁から右越え2ランを放った糸井に続いて右中間へ今季2号のソロを運ぶ。5回には糸井も中前適時打を放ち、6、7番に入った2人が大暴れした。
 久々に力を発揮する機会が巡ってきた。二岡は交流戦では11試合中6試合が代打での出場。「ほとんど代打だったので、状態がいいのか悪いのかわからなかった」と悩んでいた。だが、この日は試合前からベンチ裏の廊下で入念に故障した両足ふくらはぎをストレッチ。準備万端で試合に臨んだ。今季1号を打ったのも唐川。相性のいい相手を得意の“右打ち”で攻略し、チームに勢いをつけた。
 3打点の糸井は、近大では二岡の5年後輩にあたる。大学では一緒にプレーをしていないが「二岡さんは近大では“神”ですから。練習についてはいろいろ伝説がある。尊敬しています。2人で全打点を稼げてうれしい」。練習の虫と言われる二岡だが、その姿勢はプロ入り後も変わらない。試合後、毎日のように居残りでティー打撃を行う先輩との競演に糸井は目を輝かせた。
 「近大コンビで5打点か。打順だけを考えた」という梨田監督は起用が当たって目尻を下げた。チームは今季最多の貯金12。「徐々に足の状態も良くなってきた。流れがわかってきたのが大きい」。二岡の言葉は頼もしかった。

稲田&稀哲に拉致られて稲葉の前で何か約束させられたのか、していたのか。てか最初のタイムリーの後、かわいい後輩のハイタッチをスルーすんなw
出ればやれると信じてるしもっと出て欲しいのは山々。でも「脚治ったんだからもっと使え」なんて事はファンだからこそ簡単には言いたくない。その程度の甘い世界で10年間やってきた訳じゃないもの。一個ずつ積み上げてちゃんとそれを掴んでくれる筈だから。

■広報レポート <持ち味>
 その瞬間、ベンチが驚嘆の声で包まれました。糸井選手の右翼席に突き刺さる2ランでリードを3点に広げた興奮が冷めやらぬ4回。続く二岡選手が真ん中のストレートをこれまた右翼席へ運び、2回の先制右翼線二塁打と合わせて2打点の活躍を見せました。ベンチに戻ると森本選手と稲田選手にはさまれ何故か羽交い絞めに。その横で稲葉選手が「引っ張ってライトスタンドに持っていったよ」と二岡選手特有のスイング軌道に改めて感心していました。
 キャンプからふくらはぎの張りを抱えてきましたが、交流戦終盤には「もう守備につける状態」と梨田監督も見ていました。チーム事情によりDHでの出場が続き、スタメンは14日のドラゴンズ戦以来13日ぶり。バットを握りトレーナー室や選手サロンにやってきては真剣な表情でフォームチェックを繰り返し、打席に立つイメージを描き集中を高める。ジャイアンツ時代にほとんど経験のなかったDHでの試合の臨み方にようやく慣れてきた感が見受けられます。
 開幕直前、メディアジャックと称して主力選手が北海道内すべての放送局に出演した時のことです。二岡選手が選んだのは派手目な紫のラガーシャツでした。「番組をちょっとでも明るく出来ればと思って」というのがその理由。粋な心遣いができる人柄だからこそすっかり打ち解け、最近は逆に後輩からいじられる場面も増えてきました。交流戦では出場機会が限られていましたが、リーグ戦再開後は独特の右方向へ伸びる二岡選手らしさがチームを幾度も救ってくれるはずです。